EXTRA EXCEED LEVI’S XX の魅力とは(2)
こんにちは!Otenkingです!
さて、デニムの経年劣化を楽しむのもXXならではの魅力のようですが、なるべく早く自分のスタイルにしたいマニアは涙ぐましい育成をしています。
ジーンズ好きが高じてマニア、オタクの領域に達した先に見えてくる「XX」の意義と探求は、そこに独特の価値観を持つことにより生まれる。
XXデニムの再現はマンモスなどの生命体を蘇らせるものとは、全くレベルは違うが過去のものを現代に蘇らせる作業であることには変わりない。ただ、そこにどれだけの社会的価値があるかというだけの話だ。
その点でいえば、全ての意匠権利を有する持つリーバイ・ストラウス社が本気になれば実現可能なものなのだろうが、現在展開中のLVCラインナップからも未だ完全再現までに至っていないことは周知の事実であり、他社独自ブランド、特に日本のブランドが品質的に一歩リードしていることは前回も述べたとおりである。
ここで面白いデータがあるので、紹介してみたい。
n数が少ないので不確実ではあるものの、このアンケート調査結果を見る限りLevi’sのライバルはDIESELだ。
その他のランキングなどを見ても、リーバイスの競合は、ディーゼルやヌーディーなどファッション性を打ち出しているカジュアルブランドなのである。経営のベクトルが違う以上、相当余裕がない限り「XX」の完全復活は遠い道のりとなりそうである。
さて、本題に移るとする。ここまでは、「XX」デニムを再現しようという作り手サイドの話。相当頑張っているということ。
今回は「XX」デニムの持つヴィンテージの風合いに近付けた色落ちをするための「穿き手(オーナー)」の様々な試みにスポットを当ててみたい。
・アタリをつける
→なるべく洗わない
→初めは寝巻がわりにする
→ファーストウォッシュ後また糊づけする
→スクワットしまくる などなど
・パッカリングを楽しむ
→洗剤入れてガンガン洗う
→時々乾燥機でガンガン乾かす などなど
その他ジーンズ専用洗剤で洗う、エマールなどで洗う、必ず陰干し、必ず裏返しで洗う、洗濯後は耳をアイロンで開く、など、その愛着度は他の衣類の追随を許さない。
どれもこれも一理あるので、最後は自分を信じて好きなようにするのがよいのだろうが、洗い方について科学的なアプローチを試みたレポートもあり、なかなか面白いので紹介したい。
ここではヴィンテージジーンズの洗い方として硫黄成分を混ぜた水が40年代のアメリカでの洗濯時の水の成分に近いということで、適度に混合して洗う手法を紹介しているのだが、なるほど洗う時の原水の成分まで考えるとは思わなかった。
ちなみに新品のデニムが硫黄くさいということがあるようですが、これは染を定着させるための硫黄成分を含んだ染料で染めているからだそうです。
水といえば、水道水か地下水を使うのだろうが、今の日本の水道水には微量ながら残留塩素、次亜塩素酸ナトリウムが含まれているのでこれも40年代頃とは事情が違ってくるのかもしれない。 同じように洗濯しても地下水か水道水、また含まれる成分によって結果が異なるのは想像に難くない。もっとも選択回数が極端に少ない場合は、その差もはっきりしないだろうが・・・。それにそこまで考えたら洗濯もできなくなってしまう。
前回ウェアハウスの酸化デニムについて触れたが、そもそも酸化デニムって何だということで、調べたところどうやら、インディゴ成分の酸化促進が有力ではないか?というところに行きついた。
ヴィンテージジーンズの洗濯時のレポートでよく「洗濯水が黄色になる」というものがある。ウェアハウスの酸化デニムの洗濯時のレポートにも同様の現象が見られる。ヴィンテージの場合は「単に汚れてただけじゃないの?」と思ったが、ウェアハウスのレポートで単なる汚れだけではなさそうであると確信した。
ということは、この黄色がビンテージものの風合いの正体か?いったい何だということで、追求していくとこの黄色はインディゴが酸化した際に生成される「イサチン」なる物質らしいことが判明。
つまり、デニムが長い間大気中の酸化窒素ガス(ストーブや石油ファンヒーターなどの使用でも発生するらしい。一酸化窒素か?)に触れることで、イサチンを生成し元々のインディゴブルーから変色。イサチンの黄色成分は水溶性のため洗濯時に流れるが、一部は繊維内に留まり独自の色合いを作りだす。(ただし、いったん染められたインディゴ酸化メカニズムは、私自身はよく分かりません。)
では、短時間で酸化窒素ガスにジーンズを触れされせ、ヴィンテージの色合いに近づけるにはどうするか?前述のとおり石油ストーブなどで意図的に乾かすという手があるだろう(冬ならともかく夏は相当難しそうだ)。
さらに、先の洗濯水の硫黄成分などの作用により(どんな作用があるかは、まだ解明してません。)、予想だにしない色合いを出すというもの。
どこまで拘ってジーンズと向き合うかは個人差のあるところだろう。
最後に。この生地には一部仮説ともいえる内容が含まれており、ジーンズの洗い方やヴィンテージの風合いの出し方を保証するものではないので、本稿を参考にする場合は、くれぐれも自己責任でお願いします。
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